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2008.12.12 (Fri)

マリカとユラの運命の歯車はどうなっていくのかっ

優しげに話すあの老婆がそのことを指示していたなんて、
なんともやるせない話だ。
なんとかここから抜け出さなければ、自分を守るのは自分だけだ。
そう自分に言い聞かせるようにすると少女は勢いよく立ち上がった。


「縄や足かせがしてないだけでもありがたい。マリカここは町のどこら辺になるの?」
「えっとここは町の中心部の警備隊の一室です。」


(シオンなら簡単にこの格子壊せるかもしれない。)


「そう。それで、シオンはどうなってるか分かる?」
「・・・・・・・・・・・多分、薬の忘れな草を盛られていると思います。
あの薬を盛られ続けると過去の記憶はいっさい奪われ、
そして新たな記憶が吹き替えられるんです・・・・」
「!!!」
怒り、それしか今の彼女にはなかった。
体中の血が逆流し始めるー赤い血が騒ぎたてる。
何かを呼び起こすようにー
「マリカ・・・その服あたしに貸してくれる?」
真っ赤に染め上げられた中に黒の模様があしらわれた、
今までこんな服を見たことはなかったが今の自分に合っているのような気がしたのだ。

「でも、この服はツワモノタチのことに出向く時
に若い娘が着なければ行けない服なのだけど・・・・・・・本当にいいの?ユラさん。」
「大丈夫よ。これは異国の服ね、なんて言うの?」
「着物と言うそうよ。不思議な響きだけど私は好きだわ。」
黒髪の少女はそれに袖を通した。
腰まで流れる髪はそのまま結うことなく流したままで、その姿はとても妖艶(ようえん)に見えた。


「ユラさん綺麗~。」
ほうとため息を漏らしたマリカは着付けが終わると
ユラを窓辺に立たせ心ゆくまで眺めて、
今自分が置かれている状況をすっかり忘れているといった様子だ。


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23:32  |  小説  |  TB(1)  |  CM(3)  |  EDIT  |  Top↑

2008.11.22 (Sat)

小説をどぉぞ~♪

―夢を見た。とても懐かしい夢をー
あれは泣きじゃくる私に手を伸ばしてくれた旅人のガゼ様。
生きてきた中で始めて優しさに触れたときの甘い夢―


(ガゼ様お逢いしたい・・・・・・)


「ユラさん!目を覚ましてください!」
(誰かが呼んでいる・・・・・あたしを呼ぶのは誰?)
「ユラさん!」
目を開けるとそこには真っ赤な服を着たマリカが泣きじゃくった顔で
ユラを見下ろしていた。
「マリカ?どうして泣いてるの?」


可愛らしい彼女の頬を伝っている涙を拭うとユラは体を起こした。
宿屋の部屋にいたはずなのにそこは湿り気が多く家具がひとつも見当たらない。
見えるのは窓の外の月明かりだけで、他には何も見えない暗い不気味な
場所だった。


「あたし心配で宿屋に行ったの・・・・そしたらシオン様がー」
顔を覆うようにまた泣き出したマリカは声にならない嗚咽(
おえつ)を漏らし首を横に振るばかりでユラは自分がどの状況に置かれているのか
全く把握できないでいた。


(シオン、シオン。返事をしてちょうだい。)


心の中で強く想ったー無事であることを祈りながら。




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23:00  |  小説  |  TB(0)  |  CM(3)  |  EDIT  |  Top↑

2008.11.01 (Sat)

11月の始まりっ!シオンとユラと共にのんびりした時間をどうぞぉ☆★☆

「そうね、あまり遅くなると迷惑になってしまうもの。」
「ああ。」
ユラは前を見据えたまま迷うことなく歩き出した。
長い艶やかな黒髪をひるがえす後ろ姿を見ながらシオンもまた歩き出す。


一本道を歩いていくと遠くにポツンと寂しそうにたたずむ一軒の家が見えた。
このローサの町で一番の権力を持つ者。
家の前に立ちドアを叩こうとした瞬間中から「どなたかしら?」
と言う女の人の声がした。


「タナドから来た者です。
ローサの長様に挨拶をと思いまして参上いたしました。」
するとコツコツという靴の音が聞こえた後にゆっくりとドアが開いた。
「そんなに緊張しなくてもいいのですよ。さぁ、中にどうぞ。」


優しげな微笑を浮かべた老婆は手招きすると、
二人は促されるままに家の中に滑り込むように入った。


「お初にお目にかかります。長様。
こちらが俺の幼馴染のユラで俺はシオンと言います。」
あまり緊張していない様子で自分達の自己紹介をするとその老婆は
少年の目をじっと見た。
そして「椅子にかけなさいな。」
と優しげな声色で言うと台所に吸い込まれるように消え少しして戻ってきた。


その家の主はテーブルの上に三つティーカップをそっと置き
いい香りのするお茶をカップに注ぐと揺り椅子に腰掛けた。
「私がこのローサの町の長、シロノアです。
タナドがツワモノタチに襲われたというのは本当だったんですね。」
静かに穏やかな口調で言うとシロノアはお茶を一口、口にする。


「はい、町の男衆が町を守ろうと奮闘(ふんとう)したのですが・・・・・
町は壊滅状態で、私達二人命からがら逃げてきたんです。」
タナドが燃えている様子を思い浮かべると涙が出そうになったが
それでも涙は自然と目から零れ落ちるということはなかった。



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18:20  |  小説  |  TB(0)  |  CM(3)  |  EDIT  |  Top↑

2008.10.20 (Mon)

さくっと小説の続きです~♪

尋常じゃない雰囲気にマリカはおろおろするばかりだったし、
男達は無言で突っ立ったまま動かずにいる。
道行く人たちがチラチラとこの様子を見ながら通りすぎていく姿に
ため息をつくとユラは頭を抱えたくなる衝動にかられた。
喧嘩(けんか)するならもっと人気のない所でやってほしいというのが率直な意見だ。


「あんた達、こんなとこで喧嘩(けんか)してると皆の邪魔になるよ。」
店の中からおばさんが出てきて呆れたように言うと
売り子独特の語り口調で客引きを始める。
大きな声なのに聞いていて清々しいその声は、
耳を傾けて品物を見てもいいかなという気になってくる。


「相変わらず威勢のいいおばちゃんだな。
悪い、お嬢さん俺急用が出来ちまった。道は一本道だからこのまま
真っ直ぐいけば、目的地に着けるから。」


「そんなアロフ、無責任すぎるわ。長様の所まで連れて行くと言ったの
でしょう?」
「大丈夫だって、道は一本道だから迷うなんてことはないし、そこの兄さんも
俺がいない方がいいと思ってると思うし。」
「まあ、なんてことを!シオン様がそんなこと思うわけがないでしょ。
ごめんなさいシオン様。」


顔を引きつらせたマリカとは反対にシオンは曇りない晴れがましいほどの
笑顔をむける。
「大丈夫、気にしてませんよ。それに一本道だというなら
迷子になる心配もありませんし、彼も高台からの見張りで疲れているとこに
道案内というのも心苦しいですから。」



シオンの口から出た言葉は皮肉ではなく大木のごとき少年を労わる言葉。
一瞬キョトンとしたアロフの顔がみるみるうちに輝いてゆく。



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20:38  |  小説  |  TB(0)  |  CM(2)  |  EDIT  |  Top↑

2008.10.08 (Wed)

ユラとシオンの物語の続きをどうぞ~☆★☆

(あたし達はどうしたらいいの?)


すると後ろからぎゅっと誰かの腕に抱き寄せられた。
言葉を発しなくてもすぐにシオンだと分かった。
駄々っ子がするようにユラをキツク抱きしめて離さない。


(シオン。何拗(す)ねてるの?アロフがそんなに気に食わない?)
(オレはあいつ嫌いだ。)
クスクス笑いながらユラはシオンの拘束を解く。
(そんなに気にすることなんてないのに、ヤキモチ焼きね?!)
(そうだよ・・・ユラと片時も離れたくない。)


ふっと強い瞳が柔らかくなり、口元には笑みがこぼれていた。
花の蕾(つぼみ)みがほころんだように―


(離れないから大丈夫よ。あの二人の所に行きましょうか。)


そよ風の中、黒豹のごとき少年と、
うら若き乙女がお互いを見つめあう姿はまるで恋人同士のようだった。


その間何人たりとも二人を邪魔するものはいなかった。
足を止めて見る者もいればおしゃべりを止める者も、二人の光景から目が
離せなかったのだ。
物語の中から抜け出てきたかのような光景がそこにあったから―
ため息が出るほどに夢に見るほどに甘くセツナイ。


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