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2008.10.20 (Mon)

さくっと小説の続きです~♪

尋常じゃない雰囲気にマリカはおろおろするばかりだったし、
男達は無言で突っ立ったまま動かずにいる。
道行く人たちがチラチラとこの様子を見ながら通りすぎていく姿に
ため息をつくとユラは頭を抱えたくなる衝動にかられた。
喧嘩(けんか)するならもっと人気のない所でやってほしいというのが率直な意見だ。


「あんた達、こんなとこで喧嘩(けんか)してると皆の邪魔になるよ。」
店の中からおばさんが出てきて呆れたように言うと
売り子独特の語り口調で客引きを始める。
大きな声なのに聞いていて清々しいその声は、
耳を傾けて品物を見てもいいかなという気になってくる。


「相変わらず威勢のいいおばちゃんだな。
悪い、お嬢さん俺急用が出来ちまった。道は一本道だからこのまま
真っ直ぐいけば、目的地に着けるから。」


「そんなアロフ、無責任すぎるわ。長様の所まで連れて行くと言ったの
でしょう?」
「大丈夫だって、道は一本道だから迷うなんてことはないし、そこの兄さんも
俺がいない方がいいと思ってると思うし。」
「まあ、なんてことを!シオン様がそんなこと思うわけがないでしょ。
ごめんなさいシオン様。」


顔を引きつらせたマリカとは反対にシオンは曇りない晴れがましいほどの
笑顔をむける。
「大丈夫、気にしてませんよ。それに一本道だというなら
迷子になる心配もありませんし、彼も高台からの見張りで疲れているとこに
道案内というのも心苦しいですから。」



シオンの口から出た言葉は皮肉ではなく大木のごとき少年を労わる言葉。
一瞬キョトンとしたアロフの顔がみるみるうちに輝いてゆく。




【More・・・】

(やっと馴れなれしいこいつから離れられる。)


笑顔の下にある気持ちなど全くもって知らないアロフは感極まって、
シオンの手をつかむなりぶんぶんと振り回していたし、
マリカはなんて優しい男性なのかと目を輝かせている。
本当の気持ちを聞いたら二人とも卒倒してしまうだろう。


「シオンもこう言ってることだし私達のことは大丈夫よ、マリカ。」
心の中で苦笑しながらもユラは興奮気味のマリカとアロフを見やると
シオンの周りにじゃれついていてまさに子犬のようにはしゃいでいる。
「ユラさんがそういうなら、一本道だけど気をつけてね。」


瞳は何かを訴えたそうにしていたがその表情からは読み取ることが出来なかった。
ただ、得体の知らない何かが彼女の中に影を落として、
ほんの一瞬悲しみの色がその瞳の中に映りこむ。


「?心配しなくても近くだし大丈夫よ、マリカ。」
「そうだよ。何心配してんだ、マリカ。」
口を尖らせ責めるような口調で幼顔の少年は彼女を見下ろしている。
「何でもないわ、変なこと言ってごめんなさい。
シオン様がついてるんだもの、そんな心配することないわね。」
「???」
瞳を伏せたマリカを見て黒豹のごとき少年は何かを感じとっていた。


(この女・・・・何かあるな。)


綺麗な顔をしかめると不意に考え事をし始めた少年の黒い髪を、
風がくすぐる。優しく穏やかに―


「それじゃあまた後でなあ、お二人さん。」
考え事をしているシオンを尻目にアロフはそう言うと、
目を伏せていた少女の手を取りそのまま駆け出していた。
「ちょっ、ちょと、アロフいきなり何するの!ユラさん、シオン様。
失礼いたします~。」


大木のごとき少年に手を引かれては振り切ろうとしてもびくともせず、
マリカはそのまま人垣を押しのけて行くアロフに引きずられるようにして
遠ざかっていく。
そしてあっという間にその姿は見えなくなってしまった。


「騒がしい奴・・・」
「本当に。まるで嵐みたいだったわね。」
「あいつと嵐を一緒にするなよ。」
心の底から嫌そうな顔をするのを見て、ユラは肩を震わせクスクス笑う。
シオンは一度口を開きかけたが何も言わずに前髪を掻きあげ、眉をひそめる。


この主は知らないのだから仕方がない。
永遠にも等しい時間の中、幾度となく繰り返される生と死を見てきた。
変わらずにいる自分と変わり行く世界、ずっと平行線をたどってきた。
考えても仕方がないことだ。


従臣は唯一無二な君主と巡り逢いその主のためだけに生きる。
その中で風だけが変わらない自分とともにいて寂しさを紛らわしてくれた。
「早く長様とかいう人に逢いに行こうぜ。」
まだ従臣の存在を詳しく知らないこの主に何かをいったところで理解できないだろう。
時間はたくさんあるのだから急ぐ必要ない。
ゆっくり時間をかけて理解してくれればいい。自分のことを従臣のことを―
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テーマ : ブログ日記 - ジャンル : ブログ

20:38  |  小説  |  TB(0)  |  CM(2)  |  EDIT  |  Top↑

Comment

>らた☆さんへ

わぁ(w´ω`w)ポォォ
嬉しいお言葉ありがとぉございますっ!!!

まだまだ、未熟なんですが喜んでもらえて
凄い嬉しいです♪
時間がある時にでも、
またいらっしゃってくださぁい☆
((8-(。・`ω´・)o/~~~熱烈歓迎~~~\o(´・ω・`。)-8))

小説の手ほどきだなんてっ!!!
なんかこそばゆいですが、らた☆さんの詩のほうも
ぜひ教えてくださいねっ。:+.(・∀・).+:。キラキラァ-
緋夜璃 |  2008.10.23(木) 23:37 | URL |  【コメント編集】

小説、読ませていただきましたっ!まだ全てではないのですが・・・こんなに登場人物の一人一人の動作が活き活きと、細かく伝わってくるのは、とてもすごいな、と感じました(*゜ロ゜;)ノミ☆
それぞれの背景もしっかりしているし、言葉のひとつひとつに無駄がなくて、本当に驚かされました。。
時間のある時に、まとめて拝見させてくださいっ!
小説の書き方、よろしければ手ほどきお願いします(/TДT)/あうぅ・・・・
らた☆ |  2008.10.22(水) 22:59 | URL |  【コメント編集】

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