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2008.12.12 (Fri)

マリカとユラの運命の歯車はどうなっていくのかっ

優しげに話すあの老婆がそのことを指示していたなんて、
なんともやるせない話だ。
なんとかここから抜け出さなければ、自分を守るのは自分だけだ。
そう自分に言い聞かせるようにすると少女は勢いよく立ち上がった。


「縄や足かせがしてないだけでもありがたい。マリカここは町のどこら辺になるの?」
「えっとここは町の中心部の警備隊の一室です。」


(シオンなら簡単にこの格子壊せるかもしれない。)


「そう。それで、シオンはどうなってるか分かる?」
「・・・・・・・・・・・多分、薬の忘れな草を盛られていると思います。
あの薬を盛られ続けると過去の記憶はいっさい奪われ、
そして新たな記憶が吹き替えられるんです・・・・」
「!!!」
怒り、それしか今の彼女にはなかった。
体中の血が逆流し始めるー赤い血が騒ぎたてる。
何かを呼び起こすようにー
「マリカ・・・その服あたしに貸してくれる?」
真っ赤に染め上げられた中に黒の模様があしらわれた、
今までこんな服を見たことはなかったが今の自分に合っているのような気がしたのだ。

「でも、この服はツワモノタチのことに出向く時
に若い娘が着なければ行けない服なのだけど・・・・・・・本当にいいの?ユラさん。」
「大丈夫よ。これは異国の服ね、なんて言うの?」
「着物と言うそうよ。不思議な響きだけど私は好きだわ。」
黒髪の少女はそれに袖を通した。
腰まで流れる髪はそのまま結うことなく流したままで、その姿はとても妖艶(ようえん)に見えた。


「ユラさん綺麗~。」
ほうとため息を漏らしたマリカは着付けが終わると
ユラを窓辺に立たせ心ゆくまで眺めて、
今自分が置かれている状況をすっかり忘れているといった様子だ。



【More・・・】

(シオン・・・・シオンあたしの声に答えて!)
(ユ・・・・・ラ・・・・・・・)


途切れ途切れに聞こえてくる魂魄(こんぱく)の声が胸をしめつけてくる。


(今行くから、あたしのこと忘れないでね。)
(馬鹿やろう、何年探したと思ってんだ。忘れるわけないだろう。)


苦笑まじりな声で言うその声はいつもの知っているシオンの暖かい声だった。
ここでもたついてる場合ではない、行
動しなければ全てないのと一緒。抜け道があれば一番いいのだけれどー
―カラン―
突然格子の外から小石のような物が小さな音を立てながら入ってきた。
「!??」


外を見ると木の上で大木のごとき少年が小さくなって必死に隠れているのだ。
そのあまりにも無謀なやり方に噴き出しそうになったが少女は笑いを堪えた。
その様子を見ていたマリカは眉をひそめると
格子近くにやってきてそこに一生懸命に隠れているアロフの存在に驚いた様子だった。
「何をしているの?アロフ???」
「助けに決まってるだろうが!何でお前まで差し出されなきゃならねぇんだよ。
差し出す娘はもういるっていうのによ。」
「なるほどねぇ。あの時嬉しそうにしていた訳がこれってことね、アロフ。」 


口元は笑顔を浮かべていたが明らかに目が笑っていなかった。
駄々っ子のように口を尖らすと大木のごとき少年は悪びれたように言う。
「お嬢さんには悪いとは思ってるよ。
それでも、これしか方法はなかったんだよ、俺たちには!」
「今度はあたしの手出すけしてもらうわよ。
ここの隠し通路もしくは出られるようにしてほしいの。」


自分がはめた相手に手助けなどという言葉を聞くとは思ってなかったのだろう、
少年は目を白黒している。
「あたしがツワモノタチに差し出されさえすれば問題が解決したと思ってるの?
あなたもこの町の人々も何もかも嫌なことに目(め)瞑(つむ)ってこれからも生きていくわけ?」
タナドの町の人々は好きではなかったけれど皆りっぱに死んでいった・・・・
町を、愛する者を守るために命を張って―


燃え盛る炎を気にせずにツワモノタチにも向かってゆく男衆の姿、
コドモを守る母親、老夫婦をかばう息子。
「誰も立ち上がらずにどうやって守っていくの?」
後ろのほうでマリカの嗚咽する声がした。
自分の無力さを責めているかのように小さく声を押し殺していた。


その声を聞いて初めて少年は少女の心の闇に触れる。
救ってやれなかった仲良しの友達、そのことを苦に自害した友達の親、
忘れな草で塗り替えられた記憶。
どれも非道だと思うのに弱い自分はどうしても言い出すことが出来なかった。
守りたいのに守れなかった者たち、幾度となく謝った、天に神に祈った。
それでも、自分がした罪は一生消えることはない。
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テーマ : ブログ日記 - ジャンル : ブログ

23:32  |  小説  |  TB(1)  |  CM(3)  |  EDIT  |  Top↑

Comment

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 |  2013.01.20(日) 05:44 |  |  【コメント編集】

あけおめww

久々に拝見させてもらいましたww
相変わらずいいですね~w

それから、ブログ移転したんで
今後ともよろしくッス><b
白欄 |  2009.01.06(火) 01:49 | URL |  【コメント編集】

●疲れるけど面白い(のワの)

まさか足で擦っただけでイっちゃうとは思わなかったよ(;`゜∀゜)ハフンハフン
ビクビクしてて、すっごい悶絶してて見てて面白かったよ(*゜∩゜)
http://life-work.net/hc-st_i/xBcQp5sb
天美冬香 |  2009.01.03(土) 10:25 | URL |  【コメント編集】

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